内視鏡にて切除できる大腸早期癌は、従来m癌かまたはsm1でly(-)・v(-)とされてきましたが、近年sm浸潤深度が1000ミクロン程度のsm2で、ly(-)・v(-)かつ病変先進部が高分化腺癌で簇出像のない場合までは切除対象としてもいいのではないか、という意見もあります。
内視鏡治療の対象となる病変が増えること自体は望ましいことですが、十分に深達度診断を検討してから、適切な治療方針を決定する必要があります。
さらに最近のESD(内視鏡的粘膜下剥離術)の進歩に答えるためにも術前の正確な深達度診断が必要になっています。
ESDは治療に時間を必要とするため、診断を誤り追加腸切除になっては、ESDの労力が報われないことになってしまいます。