胃の内視鏡検査では、喉からスコープを挿入し、食道・胃・十二指腸を直接観察することで、食道炎、食道がん、胃炎、胃がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの病気を発見・診断することができます。
また、内視鏡の先端から生検鉗子という処置具を出して、精密検査を必要とする部位の組織検査をすることもあります。
検査により食道疾患・胃疾患・十二指腸と、膵管胆管の開口部などの疾患を診断することができます。
また内視鏡により早期胃癌・ポリープなどの一部の病変は切除が可能です。
胃内視鏡検査を受けた方が良い理由
胃がんの早期発見の機会を逃さないように、気になる症状や検査結果があればお気軽にご相談ください。
食道がんや胃がんの多くは早期にはほとんど症状がなく、ご自身で定期的に内視鏡検査やバリウムの検査を受けることで初めて発見されることが多いのが現状です。
バリウム検査では組織検査を行うことができませんので、もしも異常な部位があった場合は後日あらためて胃内視鏡検査を受けていただくことになります。 胃内視鏡検査は、精密検査と組織検査を同時に行うことが可能ですので、胃がんの早期発見を目指す検査の中では最も効率の良い検査と言えます。
内視鏡検査を受けることによって、食道がん、胃がんを発見することができるだけでなく、食道粘膜や胃粘膜を直接観察することで、食道がんや胃がんのリスクを予想することもできるからです。
胃がん検診で要精密検査となった方はもちろんですが、長年にわたってアルコールやタバコを嗜んでいる方(食道がんの高リスク因子)、胸やけや胃の痛みや胃もたれが続いている方、食べ物が詰まる感じがする方、胃の張りが気になる方、ご家族に食道がんや胃がんに罹患された方がいらっしゃる方などは、是非とも胃内視鏡検査を受けるようにしてください。
国立がん研究センターの統計によると、食道がんは男性では9番目、女性では18番目と消化管がんの中では頻度が低く、さらにリスク因子(アルコールとタバコ)が比較的明確ですので、リスクが低い方では胃がんほど心配することはありません。
一方で、胃がんは男性では大腸がんに次いで2番目に多く、女性では乳がん、大腸がんに次いで3番目に多いがんです。
ピロリ菌の除菌が広まったことにより、胃がんの頻度は今後減る予想されますが、まだまだ我が国では多い疾患です。
近年は、医療の技術の進歩により、解像度は高くなったにも関わらずスコープは細くなり、検査の精度が上がっただけでなく、以前より苦痛なく安全に内視鏡検査を行えるようになりました。
胃内視鏡検査について
内視鏡検査は診断と治療が一度にできるという点では、画期的な検査方法といえます。現在、内視鏡検査は専門施設での施術では必ずしも苦痛はありません。 当院でもできるだけ楽に精密な検査が受けられるように努めています。
胃炎・胃ポリープ・胃潰瘍とは?
びらん性胃炎
主にピロリ菌のよって引き起こされる胃炎で俗に言う「胃が荒れた」状態をさしています。 胃炎が長く続くと胃癌が発生する可能性が高くなります。
胃ポリープ
胃ポリープは胃が「荒れていない」証拠です。ごく一部のポリープ以外は良性です。 良性で安全なポリープかどうかは内視鏡にて専門医に判断してもらいましょう。 (大腸ポリープは、悪性化するものがかなりあります。)
胃・十二指腸潰瘍
胃・十二指腸潰瘍の原因は大部分ピロリ菌が関係しています。 ピロリ菌が陽性の潰瘍を根本的に治すためにはピロリ菌の除菌が必要です。
消化器官がんについてのよくある質問
胃がんについてのよくある質問
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胃がんになりやすい人とは?
癌(がん)は、慢性胃炎をベースに発生することが多いとされています。ピロリ菌陽性の方は、陰性の場合よりかなり胃癌になる確率が高くなります。胃ポリープは胃が「荒れていない」証拠です。ごく一部のポリープ以外は良性です。
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食道がんになりやすい人とは?
食道がんは、たばこを吸っている男性に多く、またお酒の量が多い方、熱い食べ物が好きな方にも発生しやすいとされています。欧米型の食道がんの発生が専門家の注目をあつめています。